SSブログ

基礎教育セクター改革アジェンダ [教育]

フィリピンの教育省(Department of Education, Culture and Sports) は現在、「学校優先イニシアティブ(Schools First Initiative, SFI)」として、地方政府やコミュニティ等、地域社会の幅広い参画による学校改善の運動を盛り上げている。これらの運動の成果をさらに高めるために、「基礎教育セクター改革アジェンダ(Basic Education Sector Reform Agenda, BESRA)」という政策パッケージが、教育省とオーストラリア国際開発庁(AusAID)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)、米国国際開発庁(USAID)、世界銀行、アジア開発銀行(ADB)など主要なスポンサー等の協力のもとに策定された。BESRA の目的は、2015 年までにフィリピンのEFA 目標を全て達成することとなっている。その目標は、次の4 点に集約される。
1. 全ての成人の機能的識字能力向上(母語又はフィリピノ語又は英語)
2. 全児童の就学及び小学校3 年までの中退、留年の解消
3. 全基礎教育生徒の各学年における十分な学習到達水準での修了・卒業
4. 全ての児童が基礎教育を受けられるためのコミュニティ全体の関与
これらの実現に向け、BESRA は5 つの主要な改革取り組み分野に関する特定の政策アクションに焦点をあてている。重要な5 つの改革点は次のとおりである。
1. 学校の改善への継続的な取り組み
2. 学習成果に対する教員の貢献の強化
3. 望ましい学習成果を得るための社会からの支援の増加
4. 補完的な取り組みとしての幼児教育、代替学習制度及び民間セクターの参画による成果の向上
5. これらの改革実現に向けた、教育省の組織風土の変革
このように、学校を取り巻く地域社会の参画を得ながら、地域全体として基礎教育のユニバーサル化、学校教育からの中退者のフォローアップなどに取り組む方向が示されている。また、BESRA は教育省と主要スポンサー等が参画して策定されており、今後の援助協調のためのベースになることが期待される。


フィリピン行政機関教育省


▲フィリピン行政機関教育省


コメント(4) 
共通テーマ:blog

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。